20世紀の包装は開発ラッシュ

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戦後間もない1950年代は、栄養改善が進んで、基本的食料が充足された時期でもあります。欧米から食品の濃縮、乾燥技術や包材の製造技術などが積極的に導入されていきました。魚肉ハム・ソーセージが大ヒットしたのですが、PVDCケーシングという包装技術のお陰です。また、即席ラーメンや粉末ジュース、粉末調味料といったインスタント食品もポリエチレンとセロハンを積層したポリセロというものが開発されたこそ発達したともいえます。1960年代になっていくと休息に加工食品が増えました。日本人の食生活が欧米化されていったともいえます。そしてより簡単に便利に合理的にということで、包装も開発されていきました。1965年にコールドチェーン整備が政府主導で始まりました。これにより、食品の流通スタイルが大きく変化しました。社会も生活も忙しくなり、スピードが求められるようになりました。またスーパーが登場し、対面販売からセルフサービスに変わりました。スーパーではあらゆるものが包装された状態で販売され、包装の重要性がますます高まっていきました。一方で、加工食品の添加物問題がクローズアップされて、保存料に頼らない安全で簡便なレトルト殺菌、無菌包装、冷凍、冷蔵などの流通技術が開発されていき、普及しました。ポリエステル、ナイロン、PP,PVDC塗布といった優れた包材が次々と開発されていきました。包装の世界では、軽くて透明で安全で安い包装として、プラスチックが主役です。塩ビ、ナイロンが火付け役となり、包材として大発展しました。戦後まもなく、高機能樹脂開発がどんどんされていきました。20世紀の包装の歴史は、プラスチックが包装を変えたといえます。